WEB屋が教える。ホームページの管理会社を変える際の重要なポイント
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最終更新日:2024/05/02
ホームページを運営していると、業者がちゃんとやってくれないとか、新たに知り合った人が安く管理してくれるとか、様々な理由で「ホームページを管理する会社を変えたい」となることがあります。
「ホームページ管理会社を変えるなんて!」と敵対的になってなかなか対応してくれないケースもありますし、「大丈夫ですよ!」と割と友好的に応じてもらえるケースもありますが、友好的に応じてくれるケースでも、出ていかれるところに細部まで細かく主導してくれるケースは多くありません。
運営者として知っておかないとまずいことになることや、こちら側から依頼しないといけないこと、こちら側準備しないといけないことなど、出ていかれることも、入ってこられることもあるホームページ制作会社の視点でお伝えします。
初期費用にも大きく関わってくるところなのでこまかくチェックしてください。
わからない方にはむつかしい内容もあるため、基本的には次の業者さんと一緒に進めてもらうのが一番です。
そのなかで不明な点やチェックとしてこのページの内容を使っていただけると幸いです。
Contents
ドメインの確保
重要度MAX
①ドメインを意地でも確保したい
gorilla-web.net のようなドメイン。ほとんどのホームページで皆さん使われていますね。
まずはこれを意地でも確保したいところです。
友好的な業者さんであればある程度普通に応じてくれますが、厄介なのが友好的に応じてくれない業者さんの場合。 これ結構多いです。
ドメインがまずは最重要なので、なんだかんだ言ってなかなか渡してくれないケースがあります。
これを渡してもらえないと管理を移すことなんてほぼ失敗したといっても過言ではありません。
ドメインを自社で管理されている場合はここは無視でOKです。
①-1ドメインの管理状態をチェック
ほとんどの場合お名前.comのようなドメイン指定事業者でドメインを管理しています。
Whois情報を見るとおよそわかってきます。
→https://tech-unlimited.com/whois.html
ウインドウにURLを入れて検索すると、ドメインやサーバーの諸情報が見えます。(ほとんど見えないようにしてあるケースもあります。)
例えば弊社の場合以下のような文字列が見えます。
- Domain Name: gorilla-web.net
- Registry Domain ID: 327961998_DOMAIN_NET-VRSN
- Registrar WHOIS Server: whois.discount-domain.com
- Registrar URL: http://www.onamae.com
- Updated Date: 2022-12-28T08:14:45Z
- Creation Date: 2006-01-26T20:18:57Z
4行目でお名前.comで管理しているんだな ということがわかります。
わからなければわからないで大丈夫です。次に行きます。
次に現在の管理者にドメイン移管をお願いするのですが、だいたいの場合以下の3つの流れになります。
①-2ラッキーなケース:そのままアカウントをパスしてくれる
まれに、お名前.comなどの指定事業者のアカウントをお客様名義で作って管理してくれているケースがあります。その場合、そのままそのアカウントを渡してくれるケースがあります。
大体の場合ホームページの制作時にそれらしい話があってそうなっているのですが、お客様の立場だと忘れてしまっていることがほとんどです。
これは超ラッキーケースです。あまり多くありません。
①-3一般的なよくあるケース:ドメイン移管をする
制作会社などではたくさんのドメインを一つのアカウントで管理するなどしていて、アカウント自体を渡すことはできない というケース。これが一般的です。いじわるではありません。
①-4最悪なケース:いろいろ言ってドメインを渡してくれない
最近は減りましたが、ドメインをなかなか渡してくれないケースがあります。契約がどうのこうのでドメインは渡せない などと言われるケースもあります。
この場合、一度契約書などを見てみましょう。そこにドメインは渡せないと明記してあるとどうにもならないかもしれませんが、そのように書いてなくても出ていくあなた憎しでいろいろ言って渡してくれないケースもけっこうあります。
いずれにしても、ドメインの権利や移管に関して詳しくない人にはなかなかむつかしい状況なので、次のホームページ管理会社さんなどに間に入ってもらってやり取りしてもらってください。
弊社でもこれで苦労したことが何度かあります。
上記①-3:一般的なドメイン受け渡しのケースの流れ
ほとんどの場合上記①-3のドメイン移管の流れになります。
現在、現在の管理会社のアカウントの例えばお名前.comにあるドメインを、あなた名義のムームードメインなど他の事業者に管理を移すものです。
※お名前.comからおなまえ.comの場合は、「お名前IDの付け替え」という方法で権利の移行ができます。
①-2-1ドメイン管理指定事業者でアカウントを作る
ドメインの受け皿になるドメイン指定事業者のサイトでアカウントを作ります。
お名前.com、さくらサーバー、ムームードメイン、Xサーバーなど、ドメインの取得できるところであればどこでも構いませんが、初心者の場合わからないことだらけになるため電話サポートのあるお名前.comが良いかもしれません。
アカウントは普通に作れば良いので、ここでは割愛します。
①-2-2 AuthCode(認証鍵)をもらう
事前にAuthCode(認証鍵)をもらっておきます。これは現在の管理者さんに言えばもらえます。
.jpなど必要ないケースもありましたが、2023年11月9日以降必要になります。
①-2-3ドメイン移管申請をする
ドメイン指定事業者のアカウントを作ったら、そこからドメイン移管申請をします。サイトによって場所は違いますが必ずどこかに「他社にあるドメインを移管する」のような文言のリンクがあります。
お名前.comの場合こんな感じ
↓
↓
これで進めると「承認」の流れになります。
①-2-4 ドメイン移管申請の承認
これが終わると、現在の管理者さんに「トランスファー申請に関する確認のご連絡」のようなメールが届きます。
そこに承認のためのページのリンクがあり、リンクをクリックして「承認」してもらうと、あなたの準備したドメイン指定事業者へドメインが移管されます。
①-2-5 Whois情報の変更【重要】
ドメインが移管されて安心してしまう人が多いですが、この段階ではまだWhois情報の管理者が変わっていません。Whois情報の管理者のメールアドレスにドメイン移管の承認のメールが届くため、ここが変わっていないと今やった作業と同じ流れで、また外にドメインを移管することができてしまいます。
なので、早めにまずはメールアドレスを変更します。
同時に管理者の名前なども変更します。
ホームページのデータをもらう
最初に確認すること「サーバーをそのまま譲ってもらえないか」
ほとんどの場合サーバーをそのまま譲ってもらえることはありません。サーバーの規約でも譲ってはダメだとなってるケースがほとんどです。
しかし、まれにお客様名義でサーバーを立てているケースもありそういった場合や、Xサーバーのように手続きをすれば名義を変えてくれるサーバーもあり、そうした場合ザーバーごと譲ってもらえれば面倒なサーバー移植など一切なく引き続きホームページが使えます。
先ずこの方法で進められないかを確認します。
サーバーを譲ってもらえない場合
サーバーを譲ってもらえない場合データをもらって他のサーバーに移植する必要があります。
「譲ってもらえない」というといじわるな雰囲気がありますが、そもそもほとんどのサーバーが譲渡できない規約になっているため、譲ってもらえないからといって「いじわるされてる」と思う必要はありません。
当然だと思うくらいでいいです。
契約を確認する
これも契約などでデータは渡さないなどあればもらうことはできません。
データはもらえるとして、だいたいの場合制作時のフォトショップやイラストレータのデータはもらえないことが多く、HTMLやCSS、ホームページ用に加工したデータはもらえることが多いです。
ただし何度も言いますが、ホームページの契約によってもらえないことも多々あるため、しっかりと確認が必要です。
例えば、制作費が安い場合などはデータの受け渡しは無いということも多々あります。
ホームページのデータの種類
特殊なケースや会員制の大型サイトを除いて一般的なホームページの場合以下の2種類であることが多いです。他のサーバーに移植するにあたってよくある2パターンを以下にご説明します。
①HTMLとCSSでできたシンプルなサイト
小規模なホームページ、更新機能のないホームページなどでは、特にシステム化されていないホームページである場合があります。この類のホームページは移植もかなり簡単で、データだけフォルダごともらっておけばOKです。
こちらであれば移植の費用もそれほど高くはなりません。
②WordPressなどのCMSを使ったサイト
たまに独自のシステムを実装したサイトがありますが、そういう場合はほぼ元の管理者さんの協力が必要になるため、旧管理者さんにお問合せいただくことになります。
ここではよくあるWordPressを使ったサイトの場合をご説明します。
WordPressの引っ越しやデータをもらう場合の注意点
WordPressの場合FTPでデータをダウンロードする などといった簡単な方法で全データを取得することができません。
WordPressの場合、固定ページや特に投稿などはデータベースに格納されており、データベースの中身をもらう必要があります。
All-in-One WP Migrationでデータを一括エクスポート
その場合はプラグイン「All-in-One WP Migration」を入れて、一気にエクスポートするのが一番楽で速いです。ホームページをWP内で完結されている場合、これでほとんどのデータが取得できます。
データベース以外にも確認が必要
WPで作成されたウェブサイトでも、WP外にもページが作られているケースもけっこうあります。
WPのテーマ内に独自にPHPを設置されていたりするケースです。こうしたページが無いかもチェックしてください。
特にページ以外にもお問合せフォームのPHPなどをWPとは別に設置しているケースは多々あるため、要注意です。
WPで作られたホームページで、取得しておいた方が良いデータ
①All-in-One WP Migration などで一括取得したデータ
元の作りやカスタマイズにもよりますが、All-in-One WP Migrationで取得できるデータで一発で元に戻せることも多いため、まずはこれを取得
②「ツール」の「エクスポート」
WPの「ツール」の「エクスポート」から、データベースが取得できます。
この時の注意点としては「すべてのコンテンツ」にチェックが入っているかどうか?デフォルトではチェックが入っていますが、念のためチェックします。
③アップロードデータのバックアップ
FTPでホームページのデータにアクセスします。そのなかで
wp-content / uploads / と進んでいくと、今までにWPにアップした画像があります。その中身の全てをダウンロードします。
年月が長ければ長いほど、中身が多ければ多いほど時間もかかります。
復元するときにはフォルダの階層も重要になります。バラバラにダウンロードするのではなく、この形のままダウンロードするようにしましょう。
④テーマのバックアップ
FTPで
wp-content / themes / と進んでいきます。
themes の中にある該当フォルダをダウンロードします。その中に -child と付くフォルダがあればそれもダウンロードします。
デフォルトの使っていないテーマもあることがありますが、これは必要ありません。使用中のテーマとその子テーマだけでOKです。
何が使用中のテーマかは、「外観」→「テーマ」で確認できます。
ホームページデータの取得のまとめ
これだけのデータを取得しておけばだいたいの場合新しいサーバー環境で復元できる可能性が高いです。
ただ、ワードプレスの場合はどこにどんなカスタマイズをされているか?プラグインなどを使ってどんなものが生成されているか? など、できることが多様な分絶対ではありません。
弊社の場合、管理を移される際ホームページがどこまで復元できるか、復元に当たって見落としが無いかなどチェックするため、テスト環境に実際にWPをインストールして、そこで実際に復元して状態をチェックします。
各ページ問題なく復元できていればOKですが、この段階で「このページが無い」「このページが何かおかしい」という場合、その箇所がどのような作りになっているかをチェックし復元します。
ホームページが問題なく復元できることを確認してから、元のホームページ管理会社さんとの契約解除等へ進んでください。
契約を解除した後からだとできることが限られます。
また、多くの場合その月や翌月末まで期間を残しておいてくれますが、どれくらいで現在の環境が削除されるのかもチェックしておく必要があります。
まとめ
まとめますとホームページ管理会社を変える場合
ドメイン と ホームページのデータ
この二つの確保が重要です。 ホームページはリニューアルするという場合無理にデータを取得する必要はないかもしれませんが、ドメインの確保はしっかりやっておきたいところです。
Categorised in: ゴリラウェブ・ナレッジ