飲食店でもジャンルごとに違うウェブのマーケティング

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最終更新日:2023/10/16

飲食店で「ネットから集客しよう」と考えた場合、何が正解でしょうか?

大手のチェーンは別として、飲食業は余り深くマーケティングがなされていないように感じます。「なるべくたくさんの人の目にふれるように」というザックリとした考えが多いように思います。

一口に飲食店といっても、その手法はずいぶんと変わってきます。
大事なのはWebで目立つ事ではなくて、それをキッカケにお店に足を運んでもらうことですから、一概に沢山の人の目に触れればいいというものではありません。

日本の大都市圏にある中規模のカフェからリスティング(検索広告)等で集客をしてほしいという依頼がありました。

リスティングということは、有料の広告をお考えです。

単純にお金を出して広告を出稿し多くの人の目にふれさせるというだけなら簡単にできます。しかし本当の目的は多くの人に来店してもらって、売り上げを伸ばし、利益を増やす事です。

ここでの正解はなんでしょう。

カフェということは、コーヒー1杯400円程度の売上になることもあるでしょう。食事をしたとしても食事とドリンクでせいぜい1,500円〜2,000円といったところではないでしょうか。

よくあるリスティングの予算感として1クリック100円(だとして)、コンバージョン率良くて4%だったとして 10,000円の広告費を使って4人が来店した と言う結果になります。

と言うことは一人の来店にたいして2,500円の広告費が掛かった計算になります。Webマーケティング的に言うとCPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)2,500円と言う事になります。

一人400円で帰る人もいる。食事をしていっても1,500円〜2,000円程度の売上だとすると全くの赤字です。

そこで該当店舗に次のような提案しました。

1.売上金額の高い打ち上げや二次会などの大規模もしくは貸切パーティにフォーカスしたプロモーション「検索広告」

Googleやヤフーの広告に「検索広告」というものがあります。

検索されたキーワードに対しピンポイントに広告を出すというものです。

検索されたキーワードに出すので無駄はありませんし、狙った地域や年齢層、男女別などに広告出稿できるのでより効率的です。

ここで「二次会」や「忘年会」「歓送迎会」などのキーワードで広告を出稿します。

一人5,500円で40人で貸切だとすると220,000円の売上になります。これであればリスティング広告だとしても「地域名+二次会」「地域名+打ち上げ会場」など検索ボリュームもそこそこありそうですし、かなり絞ったターゲィングもできます。無駄クリック(無駄な広告費の消化)を減らし、効率のいいプロモーションが行えそうです。

この場合のコンバージョンは「お問い合わせ」に設定し、
10,000円のプロモーションで何人にアピールできて、新規・リピーター合わせて何回ページが見られて、そのうち何人から問い合わせがあったか(コンバージョン)

そしてそのコンバージョンのうち何組が成約へつながったか。

1件の成約に対していくら掛かったか。 今回のプロモーションでの1件の売上単価はどれくらいか、等を割り出し、次はもっと効率良くたくさんの集客できるようにチューニングしていく

単価の安いカフェ利用に最適なウェブ広告

上述したように、単価の安いカフェの広告に「検索広告」はあまり効率的とは言えません。

そもそも大勢の人を呼ぶ二次会などと違って、ちょっとしたカフェ利用の場合そこまで気合入れて検索で探しませんし、探したとしても検索上部にでる食べログなどのポータルに入り、そのポータル内で完結します。

また、検索広告は、今までにそのキーワードを打って探しているという、かなり濃い状態の人にアプローチするので費用も高い傾向にあります。

そこでおススメなのが「ターゲティング広告」です。「ディスプレイ広告」とも言います。

ヤフーニュースやいろんなブログ、新聞メディアなどを見ているといろいろなところに画像付きの広告が出ています。 これがターゲティング広告です。

ターゲティング広告は検索しなくても、その人の興味関心に合わせて勝手に表示してくれます。

なので、あなたのお店のことを知らなくても、勝手にお店の広告を表示してくれます。

クリックで費用が掛かることは同じですが(インプレッションといって何回の表示でいくらというものもあります。)

広告自体が画像を使ったものなので、検索広告の文字だけと違い強烈に印象に残すことができます。

忘れたころにまた広告を表示するので、うっすら潜在意識の中にあなたのお店が残っていて「ちょっとお茶しようか」という時に、頭の中でその記憶がよみがえり「あそこにしよう!」という動機につながります。

また、ターゲティング広告は検索広告に比べて広告費も安い傾向にあります。

2.カフェの利用シーンをペルソナから考える。

リスティングをやるなら大きな単価を獲得できるパーティ的なものを狙いますが、カフェですから日常使いもおろそかにはできません。

日常使いのお客さんに対してどのようなpromotionを行うか。

上述したように1件400円の売りげに対して2500円も広告費が掛かっては失敗です。

日常使いでカフェを利用する人がどのようにカフェを利用しているかを、ペルソナして考えてみます。

ペルソナA:25才から30才のOL  A子
都市中心地から少しだけ外れた2次的な街で勤務する。建築系会社のCADオペレーターとして働いている。

どういう時にカフェを使うか。

友達とお茶する。彼氏とちょっとした食事。

どうやってその日に行くカフェを決めるか?

特に特別なディナーではなくて、彼氏とちょっと食事に行く日常使い。

と想定しますと、こうした日常使いのお店はネットでお店を検索することももちろんありますが、頭の中にすでにあるいくつかのお店を、頭の中から引き出して「今日はここにしよう」と決めることも多々あるかと思います。

そうした場合必要なのはすぐに頭に浮かぶこと。

パッと頭に浮かんだいくつかの中からその日に行くお店を決めるので、頭に浮かんでくれないといけません。

一度行った店で印象に残っているところ。 ネットやフリーペーパーで目にしていってみたいと思っていたところ。いつも通る道沿いにあるところなどが浮かんできます。

とすると適しているのは「ターゲティング広告」(ディスプレイ広告)です。

地域、年齢、性別など様々なセグメントを絞ったターゲットに(上でペルソナした人を思い浮かべながら)広告を表示し、ターゲットがヤフーニュースを見ているとき、芸能人ブログを見ている時などにディスプレイ広告をだし、お店に興味を持ってもらう。 次に、興味を持ってくれたお客さんがページを見てくれたらお店の良さを知ってもらう(行きたいな)と思わせる。しかし、人はすぐに忘れてしまうのでリターゲティングをして、再びその人に広告を表示する。

こうしていくことで、だんだんそのターゲットの頭の中にお店がインプットされていきます。

インプットされれば、その人がどこ行こうかとなったときに頭に浮かんでくるようになります。

「その人」をどんどん増やしていけば、今日どこにゴハンいこっか となったときに候補になる頻度が高くなるわけです。

ちなみに飲食店の場合、仮に1人の来店に対する広告費(CPA)が2,000円だったとして、1回の来店で1,000円しか使わなかったとしても、「リピーター」になることも多く、リピートされればされるほど、その人の使った金額が増えていきますし、その中で「今度二次会の貸切で使わせてほしい」ということにつながれば、十分効果的な広告にもなります。これをLTV(ライフタイムバリュー)といいます。

ここで会出ただけでも1つのカフェで狙いを明確にすればいくつもの打つ手があることがわかるかと思います。

広告の運用やウェブのマーケティングを私たちや業者に任せきりにするのではなくて、現場のそのお店の顧客や利用方法、魅力などを知っているクライアントサイドでも、いろんな意見アイデアを出してもらって、一緒に考えて行ければ、より精度の高いプロモーションが行えます。

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