ランサーズやクラウドワークスにロゴを依頼して失敗しないための注意点と依頼の出し方

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最終更新日:2024/02/14

これからビジネスを始められる方、新たにロゴを作ろうと思われる方のロゴの制作でランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングで作ろうと思われる方も多くいます。

弊社のようにデザインを行う企業からしても、いろいろな面で理にかなっていておススメできます。

しかし、依頼の仕方が良くないと提案件数に影響が出ますし、提案作品をしっかり見ないと損をしたりすることがあるため、まとめたいと思います。

メリット

たくさんの脳みそ、感覚、感性で作られる

「赤で、モダンでどちらかというとカッコいい系で、ナイキのような鋭さを表現してほしい」という依頼を出したとします。

制作会社やデザイン会社にロゴを依頼した場合、その会社内のデザイナーがデザインすることになるのですが、仮にデザイナーが複数人いたとしても通常1人か二人が1案ずつ、2案ずつといった形でデザインします。

仮にデザイナー二人、5案ずつ計10案作ったとしても、それを考えた脳みそ、感性は2つしかないわけです。

しかし、クラウドソーシングなどのコンペに出すと、50案や100案は簡単に集まります。同じ人が複数提案するケースもありますが、50案来たら少なくとも35人くらいの提案者がいます。 35個の違う脳と感性によって提案が上がってきます。

同じ依頼内容なのにこんなに違うものが来るのか!と驚きます。

めっちゃ選べる

通常デザイン会社などに依頼をすると、2案、3案といった具合でたくさんの中から選ぶことはできません。

たくさんの案を出してもらうには、それなりの費用が掛かります。

しかし、クラウドソーシングの場合たくさんの提案者がたくさんの案を提案してくるため、たくさんの中から選ぶことができます。

安い

ロゴって作業量が少なく見えるからか、簡単にできると思われがちです。

しかし実際はその会社さんの理念や想い、将来への展望など様々な要素を詰め込み出来上がります。 なので

一般的なデザイン会社でも10万~30万、少し自信のある会社で50万、有名なデザイン会社で100万~ とけっこうな費用が掛かります。

すでにある程度の業績を残されている会社であれば、こうしたところで徹底的に練り上げてロゴを作ることをおすすめしますが、会社を作ったばかりだったり、初めてロゴを作るというような中小企業では、そもそも正しいロゴの方向性にもっていくこともできないでしょうし、かかる費用がもったいない部分もあります。

ランサーズなどで提案を見てみると、「この人はプロだな」「どこかのデザイン会社の外注先、下請け先として活動されてる人だな」と思われる提案者がけっこう居ます。

ある程度のクオリティのものが、かなり安く手に入ります。

依頼の仕方

ランサーズなどのコンペに出す際は、できるだけ思いが伝わったデザイン案ができるだけたくさん来てほしいものです。

依頼の仕方によってわかりにくかったり、採用される可能性が低そうだな と思われてしまうと、提案数も変わってきます。

できる限り多くのデザイナーから多くの提案をゲットするための

様々な面でクラウドソーシングにロゴを発注する際のポイントをお知らせします。

内容をわかりやすくする

弊社ではランサーズなどに提案では参加していませんが、クライアントのロゴ依頼を代理で出展することはあります。

私共のように逆にデザインを依頼される側の立場から、どんな依頼内容だとやりやすくて(提案が増える)、どんな依頼内容だとやりにくい(提案が減る)かをお伝えします。

キーワードで伝える

まず、かっこよく、モダンで、などのキーワード的な形でイメージを伝える。ほとんどの場合これが最初のステップになると思いますが「かっこよく」の場合「かわいくしたらダメだな」とか「モダンな」という言葉に筆文字を使ったらダメだ。というような大まかな方向性だけがここで判断できます。

しかしここで判断できるのは大まかな方向性だけです。

実際にデザインされたロゴを共有する

これがとても重要です。

カッコよく などのキーワードも参考にはなりますが、「カッコいい」や「おしゃれ」の定義や感じ方が人によって大きく違います。

これは言葉で伝えようにもなかなか溝は埋まりません。

そこで、すでに世の中にある他社のロゴで、気に入った物、好きなデザインなどをピックアップしてください。

実際にデザインされたものを見ることができると「こういうテイストが好きなのか」「こういうテイストにしたいのね」といったところがかなり明確にわかり、すごく参考になります。

デザイナーは「この人のいうカッコいいはこんな感じかな?」なんて思いながらデザインするのと、「こういうテイストのデザインが好みなんだ」と明確にわかるのでは、全力を注ぐ方向性が定まり格段に力を発揮できるようになります。

色々なロゴを見てみよう

自分のイメージをより明確にするためにも、デザイナーに伝えるためにも、実際に様々なロゴを見てみましょう。

いろいろなロゴを見る

①”自分の業種+ロゴ”で検索してみる

自社の業種+ロゴ というキーワードでGoogleで検索してみましょう。 けっこうたくさん見つかります。 同業他社がどんなロゴを作っているか、業種によっては法則性なんかもあり参考になります。

例)法律事務所 ロゴ →https://bit.ly/3wtiooz

例)大学 ロゴ →https://bit.ly/3fbBeea

②ロゴのギャラリーサイトを見てみる

logo stock →https://logostock.jp/

logopond →https://logopond.com/

pinterest →https://bit.ly/3hW2HlE

これらのサイトを見ながら、気に入ったロゴや考えに近いロゴがあればそれをデザイナーと共有してあげましょう。

基本となる書体を決めよう

どんなフォントを使うのが正解か? 情報が無いとこれもデザイナーがけっこう迷うところです。

例えば日本語でも明朝体とゴシック体ではけっこう違いますね。

明確に書体まで決めて伝える必要はありません。以下の3点だけでもわかるとGoodです。

  1. 明朝体
  2. ゴシック
  3. 手書き風(筆文字等含む)やデザイン書体

ロゴの文字がアルファベットであれば、デザインされたフォントも多くなり幅が広がります。これも言葉で伝えるのではなくて、実際のフォントを共有しましょう。

アルファベットのフォントを伝える

Google fonts →https://fonts.google.com/

1001fonts →https://www.1001fonts.com/

こういったサイトはデザイナーなら皆知っています。 こうしたサイトから気に入ったフォントを探し、そのフォント名を伝えてあげてください。(スクリーンショットを撮って貼ってあげるとより良いです。)

これらのフォントをダイレクトに使うというより、こういうテイストのフォントが好きなんだ!というのがわかります。

もちろん、他のロゴで「ツイッターと同じようなフォント」などと伝えてあげてもOKです。

色を決めよう

色も非常に重要な要素です。会社、組織全体のブランディングにとても重要な役割を果たします。

ロゴで使用する色はホームページや印刷物、看板などでも完璧に同じ色を使用します。 ざっくりと「赤」みたいに使うのではなく、完璧に同じカラーコードの赤を使います。

ロゴについての色の重要性はこちらでも詳しく解説しています。

マーケティングにおけるロゴの重要性をプロのWEBディレクターがお伝えします

できれば現時点で完璧なカラーコードを伝えてあげてください。

こちらのサイト https://www.webtoolss.com/colorcode2.html の四角いところから好きな色を見つけます。

右下部分の#から始まる部分 #ba0012 などを教えてください

決めかねる場合

そこまで明確に決めかねる場合、またはデザイナーに任せたい場合は「赤」や「緑」といった色と共に、濃い薄いも伝えてあげてください。

一口に「緑」と言われても、淡いパステル系の緑なのか、濃い深い緑なのかで雰囲気は大きく変わってきます。

せめて「淡いパステル調の緑」や「濃い緑」くらいは伝えてあげるようにしましょう

お金を払うと損するロゴ

アルファベットの頭文字をシンボルマークにしている提案の注意点

アルファベットの頭文字をシンボルマークにするロゴありますね

例えば弊社の場合 Gorilla web の G をかたどってシンボルマークにするケース

Gをシンボルに Gorillaweb としたロゴです。

頭文字のGがデザインされているので、一見それらしく見えます。

しかし、このロゴ5分もあればできるんです。

アルファベットのマークは汎用性が高く、上記のGはそもそもフリーで山ほど転がってるんです。

なのでわざわざ作る必要もありません。 とくにアルファベットは世界中で使われるため「Logo G」などと検索してもらうと、たくさんヒットします。

https://bit.ly/3yCTPr1

こういうところから頭文字のデザインを拾って、あとはそれぞれの会社名やお店の名前を付けくわえていけば完成です。

フリーのG などがいけないわけではありませんが、これだったら自分でGを拾ってきた方が良いですし、例えばクラウドソーシングなどお金をもらって作成する場合、作成者側はこうしたフリー素材で報酬を得ることは規約違反であることがほとんどです。

しかし、そういうケースもけっこう多いのも事実です。

結局気に入っていれば発注者としては良いのかもしれませんが、実際に考えられて作られたものではなく、フリーのもので作られたものにお金を払うのもあまり気持ちいいものではありません。

こういうものであればすごく簡単なので、イラストレーターが触れる知人や付き合いのある会社さんに「イラレ触れませんか?」などと聞いてやってもらった方が時間もお金も無駄になりません。

発注者のビジネスに合わせたシンボルマークの場合

次に、発注者の業種をシンボルマークにする場合。

例えば「カフェのロゴ」のような場合です。 アルファベットほどではないですがこれもフリーでけっこうあります。

https://www.freepik.com/free-photos-vectors/cafe-logo

こういうところからシンボルマークを拾ってきて、そこにお店の名前などを加えて完成させるケースです。

これも普段イラストレーターなどを触っている人であればすぐにできてしまいます。

こうしたフリー素材であたかも「自分でデザインしました」といった感じで提案を出してくるケースもありますので、注意してください。

結局のところ、発注者自身が気に入ればこうしたフリー素材のロゴがいけないという訳ではありません。(デザイナー側には問題はありますが)しかし、せっかくお金を出すのであれば、自分でしっかり考えて作っていただいたものを採用したいところです。

クラウドソーシングでも、そうした腕のあるデザイナーもたくさんいます。

ある程度の金額は想定しよう

ロゴの制作に1万、2万と設定される方もいます。 それぞれ予算もありますし仕方ない部分もあるかもしれませんが

今後長く付き合っていくつもりのご自身のビジネスです。そこでとても重要なツールであるロゴです。少なくても5万~10万くらいは見ておきましょう。

弊社でもいままでかなりの数のコンペをやってきましたが、50,000円以下では提案数もそれほど集まりませんし、何よりも腕のあるデザイナーの参加がかなり減ります

イラストレーターやフォトショップが触れるだけの、デザイナーとも言えない人の参加ばかりが多くなります。

ご自身のビジネスをひと目で表すロゴです。ここはあまりケチるべきところではありません。

終了日時は月~金曜日の17時の間に設定しよう

ロゴコンペを出展する際、1週間、2週間といった形で期間を決めます。

単純に終了日が決まります。

この終了日もとても大事です。

コンペをやってみるとわかるのですが、終了直前に一気に提案が集まります。

最終的に合計100の提案が集まるとしても、コンペ開催時に10~20点、そこからあまり動きが無く「あんまり集まらないなぁ」なんて思っていると、最終日の」終了間際の1時間で70点くらい集まってくる(少し極端ですが)みたいな感じで提案が出てきます。

今まで何度もロゴコンペを行ってきた弊社が言うので間違いありません。

コンペの提案画面を見たことがある人ならお分かりかと思いますが、提案は新しいものが上に表示されます。古いものはどんどん下に、また次のページ次のページと奥に入っていきます。

コンペが終了すると、それ以上提案一覧画面に動きはなくなりますから、できるだけ終了間際にアップすると、最終的に自分の提案が見やすい上の方に位置することになります。

このため、最終日の時間ギリギリに一気に集まってきます。

ですので、この最終日が例えばみんな遊びに行ってしまうような土日の昼間などにするより、一般的に仕事をしている平日の昼間の時間帯の方がみんながスタンバることができるので良いんです。

そういう意味で、終了日時が何曜日の何時なのか?も注意するようにしましょう。

まとめ

ロゴは簡単に作られると思われがちですが、そこには様々な思いがつまります。

皆があなたの会社を認識する大切なツールです。

これでブランドを作っていきます。

正しい発注方法で、より良いロゴに出会えますように。