心理学・脳科学マーケティングの視点からの価格設定・値段の決め方

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最終更新日:2023/11/07

心理学・脳科学的視点から、マーケティングにおける価格設定について解説してみたいと思います。

ECサイトは直接その場で価格を見られ判断されるのでとても重要です。また、EC以外でもホームページに製品やサービスの価格を記載することは多々あります。

そもそもの価格設定から、ホームページ掲載の際に役に立つ掲載方法までこちらのページをご参考ください。

お金の支払い=痛み ということを知る

ユーザーにとってお金を支払うという行為は=「痛みを感じる」と似ています。 だれだって痛みを感じたくはありません。だから簡単にお金を出すことはありません。

しかし、金額が大きい=出費が大きい=痛みが大きい ではありません。

300万の車を購入するのに不安はあるかもしれませんが、痛みを感じる人は少ないでしょう。しかし、自動販売機に100円入れて何も出てこない、違ったものが出てくる といった場合は、腹が立ち痛みを感じます。

単純に価格の大きい小さいではなく、適正であるかどうかが大事なのです。

では、価格が不適正であると思われずにできるだけ金額を高くするにはどうしたらいいでしょう。

セット販売で価格が適正であるかどうかをあいまいにする

簡単なのはセット販売です。

車を1台買うにあたって、車体の料金だけではなくカーナビ、ホイール、サンバイザーなどをセットにして○○○円

居酒屋でマグロ刺身○○円、タイの刺身○○円 のところ、→刺身の盛り合わせ○○円 とすると、その販売価格が適正かどうかの判断ができなくなっていき、結果的にお客さんに「高い」と感じさせ痛みを感じさせることは少なくなります。

セットにできる商品は無いか考えてみましょう。

クレジットカードで痛みを取り除く

支払いの痛みを取り除く最も手っ取り早い方法はクレジットカードの導入です。

財布から現金を出す場合は慎重になるものの、クレジットカードだと途端にそのハードルが低くなり痛みが小さくなります。 痛みがなくなってしまう人も少なくありません。 なのでクレジットカードで破産したり支払いで苦しむ人が多く出てきます。 それくらいクレジットカードは痛みを取り除きます。

支払いにクレジットカードが導入できないか考えてみましょう。

高い理由を丁寧に説明する

自社の販売する製品やサービスが他より高いなら、それが高い分上質であること、お客様にとって損することではないということを丁寧に時間をかけて説明しましょう。

上記のセット販売も併せて行うとより効果的です。

定額料金を設定する

タクシー料金のように金額がどんどん加算されるような仕組みはお客さんに最大の痛みを与えます。

一昔前の携帯電話のパケット通信料も同じく、現在の定額制になったことで痛みはずいぶん取り除かれました。それが支払い金額が大きくなったとしても。

どんどん料金が加算される ということは、加算されるたびに痛みをあたえ、痛点が多いことを意味します。

最終的な支払金額が大きくなったとしても、定額料金にして痛みを減らしてあげた方が結果的には売れるようになります。

自社の取り扱い商材で課金制のものがないか、あったら定額にできないかを考えてみてください。

お値打ち感を感じさせる

商品やサービスには適正と思われる基準価格(アンカー価格)というものがあります。その価格が適正と判断されるかどうかのポイントです。

自販機のコーラが120円という基準価格があるから、施設内の自販機で300円とかで売っていると「高い」と感じ支払い時に痛みを感じさせます。 逆にスーパーなどで88円などで売ってるとすごく安く感じ、買わなきゃと思わせます。

お客さんが予想する価格を下回った価格の提示ができれば、その商品はお客さんにとってお値打ち感満載で魅力的なものになります。

基準価格は変動する

車に乗らない人や最近乗るようになった人はわからないかもしれませんが、一昔前のガソリンの価格は100円/1L くらいでした。私が車に乗り始めたころは、安いガソリンスタンドでは88円/1Lなんてこともけっこうありました。

その時にガソリン1L当たりの価格は100円くらい という基準価格がありました。

しかし2021年7月現在、150円くらいです。何年か前170円くらいになった時もありました。

ガソリン1L当たりの基準価格は更新され150円くらい という認識になりました。

そしてたまに為替や先物の変動で130円/Lになることもあります。そうすると基準価格が150円なのですごく安く感じます。一昔前の基準価格100円より30円も高いのに。

130円でも安いと感じるのは、アンカー価格、基準価格が完全に更新され変わっていることを意味します。

基準価格がよくわからない商品

基準価格がよくわからない商品を買おうとしたとき、いろいろと調べて基準価格が形成されます。

普段あまり買わないパソコンを買おうと思った時、そこから調べて基準価格が形成されます。

自社の商品が高い場合、お客さんの予想している基準価格からいったん切り離す必要があります。

最初に高めの基準価格を植え付けることができれば、安くしたときにその商品がどんどん魅力的になります。

お客様の取り扱う商材の値段が一般的に認知されているかどうか?によって値段の付け方、見せ方もいろいろな効果的な方法があります。

自社の取り扱う商材にあわせて、どんな値段の付け方ができるか?一度お考え下さい。