ECサイト・モールか自社ECサイトかで悩んでる人にウェブ屋が教えるメリットデメリット

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最終更新日:2021/05/20

コロナによって予想以上の盛り上がりを見せているECサイト、ネットショップ。

ある程度かじった方にはわかりきったことかもしれませんが、これから始めようという超初心者の方のために、ここであえてお伝えします。

はじめてしまってからでは遅いので、まずはここをしっかり読んで、自社ECサイトとモールのメリットデメリットをしっかり理解しましょう。

まず「ネットで物を売る」という手段について、大きく分けて次の2種類があります。

ECサイトの種類

モール

楽天やYahoo!ショッピング、ZOZOなどもそうですね rakuten.co.jp などのサイト内にスペースを借りて、またECシステムなども借りて運営するショップです。

モールのメリット

  • 集客力が抜群。自分で集客をしなくても楽天などのサイトにすでに集客力があるので、購入に結び付きやすい。
  • ポイントなどを他店舗と共有で使えるので、ユーザーにしてみるとポイントのお得感が強い。電気屋で購入してたまったポイントを服屋さんで使うなんてこともできるので、ポイントの価値が高い。もはや通貨のような役割さえ持っています。
  • 基本的なメンテナンスはモールがやってくれる。
  • 運営のサポートを、運営会社がそこそこやってくれる。

デメリット

  • 今やモール内にもライバル店舗が猛烈にいるので、結局モール内での集客施策が必要。
  • 顧客データが手に入らない(ことが多い)。モールをやめる=顧客も全部手放す ということになります。これスゴイ重要です。
  • 運営費やロイヤリティなど、月々のコストがけっこう高い
  • 自由が利かない。ここをもうちょっとこうしたい、ここをこうしたいといった主にシステム上のこだわりが出てきた場合に自由が利きません。
  • 仕様変更がとても困る。モールはたびたび仕様の変更があります。日々チョロチョロとしか売れていないショップはあまり関係ありませんが、1日に500アイテム、1000アイテムを売り上げるようなショップだと、在庫管理や受注管理などを独自のシステムと連携させて管理・運営していることも多く、度々起こる仕様の変更でそういった連携システムが動作しなくなり、コレ、ものすごくこまります。今
    はちょっとしか売れていなくても、いずれたくさん売れるようになった際にわかると思いますが、その時に自社サイトにしようかと思っても、その時はすでに上述したように「顧客を連れ出すことはできない」ため、もうやめるにやめれなくなっています。うまくできていますね!
  • 「送料を無料にしろ」などのお声がお上からやってくることなんかもあってとても困る。モールなんかは超薄利多売の商材もたくさんあって、ちょっとした送料一つで大きく売り上げが変わってきます。 そういう号令がかかってきてもモールにいる以上どうすることもできません。
  • ブランド化しずらい。一部の人気ショップを除いて、モール内で買い物する際いちいちどのショップかまであまり気にしません。しいて言うと聞いたことがある大手かどうかくらいは安心感的に見たりもしますが、それよりも同じ商品を横並びに表示してできるだけ安いところを探して「ポチる」 あたなのショップであるというブランドはなかなか育ちません。

デメリットの方が多くなってしまいました。なんだかすみません。 メリットも同等に書こうと思ったら書けますが、一番知っておいたほしいところだけをまず抜粋しました。

重要なのはメリットデメリットの数ではなくて、その中身と、重要度数でもあります。「メリット」にある「モールに集客力がある」や「モール内の他店舗で使えるポイント」などは、デメリット2つ3つ簡単に吹き飛ばすくらい大きなものでも会ったりします。

つづいて

自社サイトのEC

gorilla-web.net など、自社のドメイン、サイト内に組み込むEC。モール以外の一般的なEC、ネットショップです。

自社サイトECのメリット

  • 自由
  • 運営費が安い。使うシステムや規模感などにもよりますがほとんどの場合モールより安いです。もっというとほとんどの場合モールよりだいぶ安いです。さらに言うとかなり安く済みます。この記事をしっかり読んで自社に合ったECをチョイスすれば。
  • SEOなどの独自の集客施策ができる。 なんといっても自社サイトなので自由にいじることができます。WordPressなどと組み合わせて、コンテンツマーケティングをやりながら運営することもできます。
  • 一般的にあまり見ない独自のシステムを構築することなんかもできる。
  • デザインの自由度も高い。いかにもTHE楽天。Yahoo!ショッピング といったデザインではなく自社のイメージに合った洗練されたデザインにすることもできます。
  • 顧客データは全て自分のもの。なので乗り換えの時なんかも顧客を失わずに済む。

自社ECのデメリット

  • なんといっても集客は自力でやらないといけない。これが一番大きいです。モールも結局モール内で埋もれるので自力で集客しないといけないことには変わりませんが、すぐ近くまでお客さんが来ているのと、まったく近くまでも来ていないのとではかなり違います。
  • メンテナンスも自分でやる必要があったりなかったり。これは選択するECシステムによりますが、カラーミーやショップサーブといったシステムではなくECキューブやウェルカートなどを利用した場合は自社で頑張る必要があります。
    サイトを立ち上げてくれたホームページ制作会社などにそのまま保守契約をすることも多いのでそうした方は問題ありませんが、そうでない場合アップデートなどで困ることもでてきます。
  • 孤独。上述のように制作会社などが伴走してくれる場合は関係ありませんが、詳しいだれかが付いていてくれるというのはとても心強いです。特に最初のころは。

何社ものモール・ECサイトを立ち上げ、運営のサポートもしている私の個人的な見解

WEB屋として15年やってきている私、中島としては総合的にみて”まずは”自社ECをお勧めします。

上記のメリデメの大きなポイントとして、

お金はかかるが、ある程度集客してくれる

集客は自力でやる必要はあるが、絶対的にかかる固定費が少なく済む

この2点です。

自社サイトの場合集客は自力で頑張らないといけないのですが、モールでも結局集客施策は必要で、モールでの集客施策を頑張れる人であればベクトルが違う自社ECサイトの集客もある程度頑張れるだろう というところで、自社ECサイトのデメリットがある程度補えると思うからです。自社サイトであれば独自にSEOやコンテンツマーケティングなんかもできます。

ある程度売上が立つようになればあとはゴリゴリと売っていけます。

たいして、モールのデメリットの必ずかかる固定費。これについては頑張るとかどうとか関係なしにどうにもなりません。定額の固定費だけじゃなく売れば売るほどかかっていく費用もあります。

あと、送料はこうしろとか、商品画像に文字は画像全体の何%以上は入れるなとか、とつぜんやってくるお上からのお言葉が地味に本当に困ります。ECは本気でやるとそれだけで会社が十分成り立つほどに売上は期待できます。

取り扱う商材などにもよりますが、ガンガン売っているところは数千アイテムなどを取り扱っていたりします。 そうすると「商品画像の規約を変えるので修正してくれ」だけで、ほとんどのアイテムの画像の作り直しになり、気が遠くなります。

もう一つ

顧客が連れ出せないのも大きいです。モールでそこそこの売り上げ規模になって自社サイトに移行しようとしても、顧客データが取得できないので、なかなか自社サイトに独り立ちができません。

発送する段ボールの中に「自社サイト始めました」「自社サイトで買ってくれたら何かサービスします」みたいなチラシを入れて何とかお客さんに移行してもらえるような涙ぐましい努力をなんども見てきました。

ネットという進んだ販売手段を持っているのに、なんたるアナログ。

商材による違い

モールか自社ECか商材による違いも向き不向きもあります。

家電のような「どこで買っても同じ、かつ、どこにでも売ってるもの」は、ユーザー目線から見るとどこかのECサイトより、アマゾンや楽天などで探します。 同じ商品を横並びで「価格のみ」のような視点で比較できるからです。

こうった商品を自社サイトで売るにはヨドバシさんのような強力なブランドづくりが必要です。

あとは、「まあどこで買っても良いか」という地味なもの。例えば、スマホの充電ケーブルやモバイルバッテリーのようなもの。こうした商品は純正品にアドバンテージがあるものの、ほとんどの場合「使えれば安いやつでいい」といった感じで特にブランドも求めませんし、普段使い慣れたモールなどで気軽に購入してしまいます。

こだわりのおしゃれさんでなければ、パンツや靴下や肌着といった日用衣料品なんかもそうですね。

そういう商品は「色は黒」とかほんのちょっとの条件があるだけで、あとあけっこうどうでも良かったりもするので、「買おう」と思った時に、いちいち検索エンジンで検索したりせず、いきなりモールに行って購入するので、モールに向いているといえます。

そうした商品でも強烈なブランドを確立できれば自社ECでも十分成り立ちます。例えば白鳩さんなど。

私はウェブ屋なのでWEBマーケティングを駆使して自力で売っていく術を持っているから余計に上記のような考え方になっている部分もあります

これからECを始める方にはむつかしいところもあるかもしれませんが、立ち上げる今だけではなく長い目で見て自社にとって正しいECをチョイスしましょう。